『死霊解脱物語聞書』の現代語訳が志村有弘によって掲載されている。
これを読むと、累に憑かれ、助に憑かれた菊が一尺ばかりも宙に浮き上がり、身をよじって苦しんでいたありさまが描かれていて、映画『エクソシスト』そのままだったことがわかる。
累(かさね)関係では欠かせない名著。
三遊亭円朝『真景累ケ淵』の影もないところが、またおもしろい。
江戸の都市開発という視点もしっかりと持っている。
群集に向って両手に持った拳銃をぶっぱなすと書いたのは、シュールレアリスムを提唱したアンドレ・ブルトンだった。それはすぐ、ナチスによって現実となり、今、縮小再生産で秋葉原をはじめとした無差別殺人の形をとっている。都市の群集はそれだけでそういう扱い方が可能なあり方なのかもしれない。日本のあらゆる都市のなかで、ただ宝塚と西宮北口の間の阪急今津線だけは、そうではないと、思わせてしまう小説が書かれてしまった。それは宝塚が、宝船と同じような一般名詞で、かえって人工的な都市だったからなのかと考えられなくもない。もっともここにも、おばちゃんたちという群集への敵意は表明されているが。この沿線を知らない読者はどのような読み方をしているのだろうか。それは、とても知りたい。
国会図書館近代ライブラリーでは明治期の講談資料がいくつか検索できる。
八百八狸で検索してみた。
松山奇談八百八狸
八百八狸後日物語