フィールドノート(民俗野帖)

「研究ノートと書評」改め

深田久弥「故郷の山」

深田久弥は加賀市東谷地区の山々をずいぶん登っていたようだ。ところが、今日登ったと思われていない。これは双方もったいない。深田久弥山の文化館に東谷地区の展示もし、大土などにも深田の何かを掲げておけばよいのにと思う。以下は深田の「故郷の山」という文章からである。
「僕の故郷は同郡の大聖寺という町で(大聖寺という名は白山五山の一)東京の高等学校へはいるまで、僕は日本アルプスなんて見たこともない田舎の中学生であった。しかしその頃から山が好きで、故郷の江沼郡の山は全部登ろうとしたものだ。その最高峰が大日山なのである。江沼郡を囲む山はたいてい千メートル前後だが、あらかた登った。何しろ日本でも有数な雪の深い所だから、四月頃行けばたいてい楽に上れる。『奥山遊覧記』という旧幕時代の記録と照らし合わせて、当時七銭五厘だった地図に名前を書き込んだりして、中学生相当の山岳熱をあげていた。
 おそらくその後あんな山々へ登る人もあるまい。とすれば江沼郡の山については僕が誰よりも委しいわけだが、しかし都会から遠い千メートルのくらいの山では誰も相手にしてくれまい。もし物好きな暇な方があって、いったいどんな所だと思う人があったら、五万分の「大聖寺」と「永平寺」(共に二十万分の金沢のうち)をつないで、そのつなぎ目あたりを見て下さればいい。」

江沼郡の山々地図

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