フィールドノート(民俗野帖)

「研究ノートと書評」改め

新愛知 1928

新愛知 昭和3年7月5日
大遊園地を福澤氏がつくる
日本ライン沿岸に
観音像も奉安

さき頃電力界を引退して、余生を趣味生活、信仰生活におくろうと伝えられる福澤桃介氏は、一代の知恵袋を絞って民衆的の大遊園地を日本ラインの沿岸犬山橋上流の、岐阜県稲葉郡鵜沼村地内に建設することとなった。
同地は、愛知県丹羽郡継尾山の対岸にあたる景勝の地で、同氏並びに股肱の兼松熈氏の所有地を加えたものに、人工的設備をいろいろ施し公会堂みたいな大きな休憩所を建て、何人も自由に遊び得るよう施設されるそうであり、その園内に日頃信仰する観世音を奉安する寺院を建て、新しい信仰地、新名所をつくるべく計画されている。
猶、木曽川を横断して対岸に架空線を設け、ラインの清流を脚下に跨いで美濃・尾張を自由に往来するよう目論まれているが、木曽川べりに一大新名所が出来る訳で、大事業家福澤氏が余生を大衆の為に、信仰の為に尽すのは、最も意義あることであろう。
斉藤直武氏談
右に就いて大同電力名古屋支店長斉藤直武氏は語る
「福澤さんは常に観音さまに大いなる信仰を捧げて居られるから、一生の思い出に日頃信ずる観世音菩薩の尊像を安置する、大観音堂を建立されるというような話は、ここ二・三年前から噂されていました。それに、福澤さんは東築地に約十三万坪の広大土地を持って居られるから、観音堂の建立地としては、この土地と、木曽川沿岸の岐阜県稲葉郡鵜沼村地内の、尾張の継尾山の対岸一帯に渡る所有土地のいずれに決定しようかと、いろいろ考慮されていたらしかったが、委しいことは知らぬ。
然し単に観音堂を中心とした大伽藍を建立し謂う所の、松風の音を友とし、念彼観音力と朝夕拝礼唱名して、余生を送られるというようなことはあるまい。我が福澤さんは、これ程消極退嬰的の人物ではない。もっともっと遠大な志を臓していられるから…」

具体的な事は知らぬ。
名鉄支配人談
又、名鉄道支配人山田芳市氏は語る。
大伽藍など云うことは未だ聞いて居ないが、継尾山の対岸に民衆的遊園地を作り架空ケーブルカーで遊客の往来を図る様にしたいとか、その地方の集会所に充てる為、公会堂見たいなものを建てようとか、一部を別荘にし、一部を開放してやろうとかなど、いろいろな説があって、まだはっきり定まって居ないように聞いて居た位で、私は何も聞いて居ない云々
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