フィールドノート(民俗野帖)

「研究ノートと書評」改め

縣(あがた)神社

縣神社参道 縣神社神門 縣神社石段
「美談郷
 郡家の正北九里二百四十歩の所にある。所造天下大神の御子、和加布都努志(わかふつぬし)命が、天と地が初めて分かれた後に天御領田(あめのみた)の長としてお仕えなさった。その神が郷の中に鎮座していらっしゃる。だから、御田を見る神の意で三太三(みたみ)という。この郷には正倉がある。」(『出雲国風土記』「出雲郡」から)
「出雲郡の三つの郷(漆治郷・伊努郷・美談郷)の郷名由来には他郡にみられない興味深い特徴がある。それは、「郷の中に神が鎮座する」とわざわざ明記されていることだ。古代の郷とは人々のまとまりであり、「郷の中」とはその日常的な生活空間の中を指す。今日の町村は領域をもっており、そこには無人の山叢や谷泉も含まれるが、前記の『風土記』の文脈でいう「郷の中」はそうではなく、あくまで人々が起居する空間のことを指すのだ。したがって『風土記』の三つの郷条は「神が自然信仰の場を離れて、人々が生活する空間の中に人工的な神社として祀られている。」ということを強調した記載、とみることができる。山、岩など自然物に神が坐すのが一般的な『風土記』段階において、出雲郡のこうした状況は特筆すべき希少な事態であったに違いない。」
(『解説出雲国風土記』コラム10「出雲郡の郷中に坐す神」から)
縣神社拝殿 縣神社奥社



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